「月亭八天のバラエティボックス」のお知らせ
◆超おすすめの独演会「月亭八天のバラエティボックス」◆
月亭八天は、明年3月19日に、「七代め 月亭文都」襲名を控えています。月
亭文都としては、113年ぶりの名跡復活という大事業に向けて、この1年は新し
い境地を開拓しようと、さまざまな取り組みを展開中。
その中でも異色の「バラエティボックス」は、今までの独演会とは少し趣き
を変えたスタイルで、本年6月、8月、10月と隔月3回にわたり、落語家「八
天」はもとより、人間「八天」の側面を垣間見ることのできる会となるでしょ
う。
会場は国立文楽劇場。ここは以前、八天の通っていた高津小学校でもありま
した。大阪ミナミのど真ん中、日本橋生まれの八天が、故郷に錦の想いを込
め、襲名に向けての意気込みを発揮する場所としては最もふさわしいと思われ
ます。
<1つめの箱 6月29日(金)18時30分開演>
1席目『高津の富』は、まさしく地元を舞台にしたお噺。高津神社には、子
どものころから、よく遊びに行っていました。絵馬堂から見える風景は、昔と
今とではずいぶん変わってしまいましたが、それよりもっともっと以前は、こ
こから海が見えていたといいます。2番の500両を当てたらと空想にふける男、
大金を懐に色町に出かけて……。このノロケの件が、演者には一番の楽しいと
ころです。松鶴型、米朝型、文枝型をミックスした、八天型でお送りします。
2席目『算段の平兵衛』は、20年前、総帥・米朝師に初めて教えをたまわっ
たネタです。八天独自の工夫も散りばめ、まるでサスペンスムービーをご覧い
ただくかのように進行していきます。月亭のお家芸とも言えるが、可朝師も、
八方師も、八天も、全部やり方が違います。聴き比べてみるのも、おもしろい
かも。
<2つめの箱 8月24日(金)18時30分開演>
文楽劇場で義太夫ネタをさせていただくというのも感無量。今回は素人浄瑠
璃『寝床』を取り上げてみました。商家の旦那が権力にものを言わせて、奉公
人や借家の店子連中に、下手な浄瑠璃を無理やり聞かせるのですが……。この
噺も20年以上前に、雀三郎師よりご指南を受けました。たっぷり演じると長丁
場で、この日のお客さまが「寝床」状態にならぬよう努めなければなりません。
『愛宕山』は、春先のお噺であるのですが、真夏に汗をかきながら演じるこ
とになりそうです。なにしろ京都の旦那が、芸妓、舞妓、太鼓持ちを連れて、
座敷を飛び出し、山登りをするのですから。上方落語特有のハメモノ(噺の中
に挿入される効果的な囃子の演奏)もたくさん入り、賑やかに華やかに演じま
す。故・吉朝師から伝授していただきました。
<3つめの箱 10月4日(木)18時30分開演>
5年前から温めてきた『夏祭浪花鑑』を披露します。これは『土橋萬歳』の
芝居がかりになる部分をデフォルメし、歌舞伎、文楽でお馴染みの「夏祭浪花
鑑~七段目 長町裏の段(泥場)」を、平成中村座よろしく、見せどころたっ
ぷりにお届けします。元来、冬の噺であったものを、すべて夏に置き換えたの
も、「夏祭」のパロディとして生かしたかったからです。随所に冬から夏に変
えた工夫を盛り込んでいます。たとえば食べ物ひとつとっても、冬と夏とは違
います。うどん屋「丸萬」のおだまき蒸しや茶碗蒸しが、「いづもや」のまむ
しやうまきに変わります。大阪の夏といえば、やはり「地車(だんじり)囃
子」。原作にはない箇所で、ゆったりとした地車が流れます。また、最後に大
阪締めが出てくるというのも、ほかの噺では味わえないシャレた演出だと思う
のですが。
もう一作『天災』は、八天の得意ネタ。この噺で、当会のお開きにしたいと
考えています。やはり故・吉朝師に習いました。
いまが旬。八天の「襲名プレイベント」。このイチオシの独演会に、ぜひご
参加いただきたいと思います。
前売券2000円、当日券2500円。3公演共通券(通し券)6000円(特典付き)。
ご予約はこちらから → http://formmail.jp/00084041/

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